潮間帯から深海底に至る海底の生態系および底生生物(ベントス)を主な研究対象として,様々な角度から研究をおこなっています. 主な研究テーマとして以下のような項目が挙げられます. 化学合成生物群集の生物学 深海の熱水噴出孔周辺や冷湧水域などの還元的な環境に,化学合成による生物生産に立脚して成立している生物群集を対象に,地理分布や系統進化,細菌との細胞内共生,などを研究しています. 海洋生物の系統地理学と海洋環境変動 様々な海洋生物集団の遺伝的構造を分子系統学的な手法により解析し,過去の海洋環境変動との関係を解析しています.生物のデータから過去の海洋環境を復元する手法の確立を目指すとともに,将来の環境変動が海洋生態系に及ぼす影響予測の為の基礎的知見を蓄積しています. 干潟の機能と保全 干潟に生息する底生生物の環境浄化作用を実験的手法で解析しています.集団構造の時空間変化を明らかにし,温暖化などの人為的な影響を評価しています. 砂浜海岸の生態学 砂浜海岸は沿岸域の中で大きな割合を占めますが,他の環境(干潟,岩礁,サンゴ礁)に比べると,その場の底生生物の生態学的理解は著しく遅れています.砂浜海岸の生態系を理解し,またそれを保全するための知見を得るために,国内外各地の砂浜海岸を対象として研究を行っています. 現在の主な研究テーマ ●熱水域・湧水域を含む深海性巻貝の進化と生態 ●深海性底魚類の遺伝的・形態的分化 ●干潟に生息する巻貝類の集団構造 ●両側回遊性貝類の自然史 ●砂浜海岸の生態学 研究室所在地 東京大学大気海洋研究所 〒277-8564 千葉県柏市柏の葉5-1-5 電話 04-7136-6006(代表) アクセス 大気海洋研究所のホームページをご参照ください 小島茂明教授室は5階、狩野泰則准教授室は4階です. |